手首の関節が痛い

最近多いのが、手の腰痛といわれる手首の関節痛で悩まれるケースです。

中でも注意を要するのが、手関節の三角線維軟骨複合体(TFCC)と呼ばれる組織の損傷です。
三角線維軟骨複合体は、軟骨と靭帯からできている人間特有の組織で、外傷や反復運動によって切れたり、摩耗したりする損傷しやすいようです。

症状の特徴は、手首の小指側の痛みで、タオルを絞る、ドアのノブを回す、蛇口をひねる、ペットボトルのふたを開けるときなどに痛みが走る。
「スポーツでは、野球やゴルフなどのスイングで傷める人が多い。右利きの人なら、スイング時にひねりが大きく掛かる左手の関節を損傷しやすいようです。

関節痛には、病気が隠れている可能性がありますので気をつけましょう。
動かした時にでる痛みをかんじる場合と、動かさない時にも痛みを感じる場合の大きく分けて2種類あります。

関節は、スムーズに動くために構造上、複雑な構造からできています。
その一つが骨と骨の間にある関節軟骨で、関節を動かした時の痛みの原因はここにあるのです。
関節軟骨には血管や神経は通っていません。
体の組織を形作る栄養は血管を通して送られますから、関節軟骨は修復や再生がほとんどされないとても弱い器官だと考えてもいいでしょう。
そのため関節軟骨には老化の影響が大きく、年をとるにつれて関節軟骨は大きく変化していくのです。
長年に渡って関節が使われ、骨がぶつかり合うことで軟骨がすりへっていく、クッションが古くなり弾力もなくなります。

関節痛は、一般的にまず、関節に異常をおこし、炎症を引き起こす物質が関節腔(かんせつこう)が侵入を果たします。
じつはこの侵入者(物質)の正体はまだはっきりとはとめられていません。
体の防衛を任務とする白血球は、滑膜にはりめぐらされている細い血管から滑膜に展開して、そこで侵入者との戦いを始めます。
白血球が飛び出しやすいように滑膜にはすき間ができますが、すき間ができることで、滑膜はもろい状態にもなります。

滑膜の血管から飛び出してきた白血球は統率がとれていません。
その上、あとからあとから白血球が飛び出してきます。
どんどんその数も増えるのに、統率がまったくとれない白血球が暴走を始めます。
秩序が失われて暴走し始めた白血球は滑膜のいたるところで自分の体の組織を攻撃しだします。
自分の体を守るはずの白血球に攻撃されて、滑膜は腫(は)れ上がりブヨブヨとした浮腫(ふしゅ)状に変化してきます。
こんな状態では関節腔の水はけが悪くなって関節液がたまるようになります。
これが関節に水がたまると言われる状態です。
やがて関節そのものが腫れて紡錘(ぼうすい)形に変化してきます。

さらに進行すると、滑膜に肉芽(にくが)が形成されます。

肉芽は白血球のかたまりともいうべきもので、軟骨におおいかぶさるような状態になります。
このように肉芽が軟骨をおおうようになった膜状のものをパンヌスと呼ばれます。

肉芽やパンヌスの中には「新生血管」をつくるさきがけとなる誘因物質の「血管新生促進因子」がいっぱい詰まっています。
そして、肉芽やパンヌスは軟骨に「新生血管」をつくる一大基地と化すのです。
パンヌスに覆われた軟骨を直接破壊するのがコラーゲン分解酵素のMMPです。
破壊されてボロボロになった軟骨は薄くなってきます。さらに進行すると軟骨が完全になくなることもあります。

こんな状態では関節のかみ合わせが悪くなり、関節がずれたり変形したりしてきます。
関節が変形してくると、曲がったほうにより力が加わるため、変形はどんどん進行していきます。