リウマチの注射薬生物学的製剤治療

生物製剤 抗TNFアルファ薬 抗サイトカイン治療 など呼ばれていますが、現在は特殊な治療ではなく、リウマトレックス(メトトレキサート)とならびリウマチ治療の大きな2本柱になっています。全世界・日本で過去数年間の実績により安全性がかなり確立しているようですが、治療費はかなり高額です。
進行が早くリウマチの症状がひどい場合、検討することも良いと思います。

抗サイトカイン治療について

リンパ球などの細胞が分泌する物質で、いろいろな種類があり、全身のからだの働きを調節しています。
特に免疫の働きに重要な役割をしています。
正常な状態では、これらサイトカイン同士のバランスがうまくとれているのですが、関節リウマチの方の体内では、このサイトカインのいくつかが過剰に産生され、関節炎を起こすと同時に骨や軟骨など自分の身体の組織を破壊していることがわかってきました。

リウマチでお悩みの方で、特に関節の破壊、炎症の原因になっているのが、TNF-αやIL-6というサイトカインと思われます。
TNF-αの働きを抑える薬がエンブレル・レミケード・ヒュミラの3種類で、IL-6の働きを抑えるのがアクテムラというお薬です。

その効果について

70%以上の人に効果があったと報告されています。
効果の高い薬で、劇的に効いて症状がほとんどなくなってしまうことも期待できます。
今までの薬と違い、効果がすぐに(2-3週)現れるのが特徴で、投与された翌日に体が軽くなったと言われる方もいます。

投与方法について

レミケード・アクテムラは点滴で投与します。入院は不要で外来で点滴します。
アクテムラは1ヵ月1回、レミケードは2ヶ月に1回の間隔で点滴を続けていきます。
1回の点滴に約1-2時間かかります。
それに対し、エンブレル・ヒュミラは皮下注射で簡単に終わりますが、最低4週間に1回の通院が必要になります。

副作用について

発疹などの軽いアレルギー症状が他の薬剤と同じように起きることがありますが、抗がん剤のような強い副作用はありません。
最も重要なのは、免疫機能がやや落ちるため結核・肺炎などの感染症を発症しやすくなることです。
使用経験の豊富な病院や施設で投与を受けることが重要です。

投与する期間は

2-3年は続けることが普通ですが、途中で治ってしまって完全離脱できる方も時にみられます。
また、効果がはっきりしない場合には止めてみればいいのです。
高価な薬ですから、効いているのかはっきりしないのに続けるのはよくありませんので、担当医としてよく話し合ったうえで決定することですが、試しに止めてみることで症状が悪化し実は効いていたということがはっきりすることもあります。

他の飲み薬は必要なくなるのか?

投与している間もリウマトレックス(メトトレキサート)は飲み続けるようにします。
両者が合わさって最大の効果をあげます。
まずは、プレドニンの量を減らすことが第一目標になります。

リウマチは、発症の原因の約50%は遺伝子の原因だと分かっていますが、いわゆる一般的に考える遺伝病ではありません。
母親がリウマチだからといって、必ずリウマチになるわけではありませんが、一般女性のリウマチ発症を200人に1人と考えた場合、身内にリウマチがいる方の発症率は、100人に1人ぐらいにあがると考えられています。

普通の遺伝病(たとえば遺伝性筋ジストロフィーなど)は数万ある内の、たった一つの遺伝子で決まるのに対して、リウマチの場合はおそらくは、10個以上の複数の遺伝子の組み合わせで発症すると言われています。

また、発症の原因には、その一つとして、細菌やウイルスなどの感染が関わっているようです。
また、慢性関節リウマチになりやすい体質の人が過労やストレス、出産などがきっかけになって発病することも少なくないようです
女性に多いことから女性ホルモンが関与しているともいわれています。
いずれにせよ、慢性関節リウマチになる原因は一つだけではなく、複数の要因が複雑に重なり合って発病に至ります。

ほとんどの場合、発症の原因はわかりませんが、あせって治療を開始しなくても、手遅れになることはないでしょう。

明らかに見た目の腫れが継続する場合や手がフルに握れない・または伸びないなどの状態になった場合は、しっかりした治療を開始すべきと思いますので、リウマチの専門医に診てもらってください。