リウマチ性多発筋痛症について

リウマチ性多発筋痛症は、通常50歳以上、特に60歳以上の人に起こる原因不明の疾患

通常50歳以上、特に60歳以上の人に起こる原因不明の疾患で、首や肩の周辺部、腰部、臀部などのこわばりと痛みを伴う慢性炎症性の病気です。
リウマチ性多発筋痛症は、リウマチという名前が使われていますが、関節リウマチとは違う病気です。一般に50歳以上、とくに60歳以上の高齢者に起こる原因不明の病気で、体幹に近い部分の筋肉の痛みやこわばりが主な症状の慢性炎症性の疾患です。

本症を確定できる特定の診断法はなく、関節リウマチとか不明熱などと診断されて、いくつかの医療機関を転々とすることも少なくありません。しかし、この病気はいったん診断がつけば、多くの場合はステロイド治療で十分にコントロールできます。

原因については、リウマチと同じように原因不明

真の原因はわかっていませんが、20%前後の患者さんには側頭動脈炎(そくとうどうみゃくえん)(巨細胞性(きょさいぼうせい)動脈炎)という膠原病(こうげんびょう)疾患を合併することが知られています。しかし、欧米に比べて日本では側頭動脈炎を合併する頻度は少ないので、この病気の全体としての性質も人種などによって若干違うようです。
また、こうした合併症の存在から、リウマチ性多発筋痛症や膠原病疾患には共通する原因があるのかもしれません。

リウマチ性多発筋痛症を確定するしっかりした検査方法は確立されておりません。

前兆になるような感染症などは、とくに知られていません。体幹に近い部分、すなわち肩から上腕、頸(くび)、臀部(でんぶ)から大腿などの筋肉の痛みやこわばりから始まり、それが2週間以上続くのが特徴です。
こうした筋肉の症状以外では、発熱(多くは37℃台の微熱)、全身のだるさ、体重減少などの全身症状と、関節の痛みを伴います。ただし、関節がはれ上がるほどになることは少ないといわれています。
症状は、急に始まることが多いのですが、治療しないとそのまま続くため、数カ月にわたって徐々に進んだようにみえることもあります。

この病気の特徴である筋症状、全身症状などを総合的にみて診断。

診断の条件の一つは、高齢者であることですが、高齢者とは概ね60歳以上が該当します。
しかし、現実的には50歳前後でも特徴的な症状が認められるなら、この病気と診断されることがあります。
血液検査で、赤沈が亢進し、血清CRP値が高値となり、赤血球数の軽度の減少、白血球数および血小板数の増加があることは、この病気の確定の指標となります。
この病気では、筋肉由来の血清酵素の増加はなく、リウマトイド因子や抗核抗体などの免疫異常もありません。
リウマチ性多発筋痛症は、膠原病の側頭動脈炎を合併することがあり、この診断には、血管造影法や組織を採取しての筋生検(病理検査)を行うこともあります。

体の炎症症状を示す赤沈検査や血清CRP濃度が高値となり、そのほかに軽い赤血球数の減少と、白血球数および血小板数の増加がみられます。
一方、筋痛があるにもかかわらず、多発性筋炎にみられるような筋肉由来の血清酵素(CKなど)の増加はみられません。また、リウマトイド因子や抗核抗体(こうかくこうたい)などの免疫異常は、通常認められません。

特徴となる症状や検査所見などを組み合わせた診断基準が診断の助けになります。いくつかの診断基準が提唱されていますが、いずれも高齢者であることが第一条件です。

なお高齢者の定義については、50歳以上とするものから70歳以上までまちまちですが、60歳以上とするのが一般的です。ただし、実際には、50歳前後でも特徴的な症状がある場合は、この病気と診断されます。

そのほかの項目としては、筋症状、検査所見、全身症状など、それぞれの特徴を組み合わせて診断します。なお、側頭動脈炎を合併する場合は、頭痛や側頭動脈の拡張および圧痛があり、まれに突然失明に至る例もあります。この合併症の診断には、血管造影検査や組織を一部取る病理検査(生検)が必要なことがあります。

ステロイド療法がどの程度長期予後を改善するかについては十分な臨床成績はありません。また、十分に有効性が確認された他の治療法はありませんが、ステロイド療法の効きめが悪い症例では、時に関節リウマチに使われるメトトレキサートのような免疫抑制薬が使われることがあります。