リウマチと日常生活の留意点

リウマチと日常生活の行動・動作・環境などの工夫

全身または関節が局所的に冷えるようなことは避け、保温のために衣服を工夫します。冬だけでなく夏でも冷えに注意して、湿度が高くならないような配慮も必要です。

日常生活動作の工夫としては、関節に負担がかからないような動作をする、動作を補助する装具(サポーター)や便利な道具(自助具)を利用する、関節にやさしい生活様式(ベッド・洋式トイレの生活)にする、関節にやさしい環境(住宅の安全性の確保)に整えるなどがあります。

日常生活動作の工夫:動作の注意点
長時間同じ姿勢を続けない(時々、体をほぐすストレッチや、他の動 作を 取り入れたりします。)
重いものを持つときは、片手ではなく両手で、両手よりは全身を使っ て物 を持ちあげます。
コーヒーカップは、両手で持ちます。
キッチンでは、 座りながら仕事ができるようにイスを用意し、 動か しや すいワゴンを活用します。
鍋の取っ手は手袋を使って手全体で持ちます。(指で持たない)
ビンのフタをひねるときは、手首を親指方向に回すようにします。
鞄は腕に掛けるか肩にかけます。(肘や肩が痛い場合は不向きです)
買い物袋などは、手でなく肘にさげます。(肘が痛い場合は不向きで す)
雑巾がけは、小指側よりも親指側に力をかけます(小指側にかけると 手首 に負担がかかります)
机などを拭くときは、右手に持って左方向に拭き、左手に持ち替えて 右方向に拭きます。(片手だけで拭かない)
ベッドから起きる時は、反動をつけないで、まず横向きになってから 、次 に肘の助けで体を起こします。
室内履きはスリッパタイプではなく、かかとがついた靴タイプのもの を使 います。

日常生活動作の工夫:自助具の使用
自助具は、関節リウマチによる障害で困難になってしまった動作ができるように補助する道具です。
リウマチでは、関節への負担を軽減しながら身体機能や動作能力を維持するために、自助具の使用をおすすめします。ただ、自助具の多用は身体機能の低下につながりますから注意が必要です。自助具には市販のものから作業療法士など病院から提供されるものがあります。自助具それぞれの目的を理解して使いこなす練習が必要のようです。

常生活動作の工夫:補装具の使用
リウマチで使用される補装具は、関節を安静に保つことによる消炎効果・関節変形の進行予防・関節の免荷と支持性の向上を目的にしています。
どの装具を使うかといった装具の使い分けは、関節リウマチの活動性や関節の状態に左右されます。医師の指示に従って装着することが基本です。家庭でできる装具療法としての装具の種類も多くあります。頚椎カラー・足底板・サポーター・スプリント・杖・靴・弾力包帯(エラスコット)などです。関節痛が辛いときにエラスコット(弾力包帯)を関節に巻いて固定する方法は、簡便で家庭で簡単に出来る装具療法といえます。

日常生活環境(住居)玄関、床、階段、廊下
玄関の敷居や上がりかまちは段差を少なく、できればスロープにしま す。 玄関ホールは滑りにくい床材にします。
ドアは、車イスでも開閉できる引き戸がおすすめです。改装が無理な らば ドアノブをレバー式に交換するか、自助具をドアノブにつけま す。
廊下には、手摺りを取り付けます。手摺りの位置は患者の腰の辺りの 高さ にします。
床には、転倒防止としてにカーペットやマットを敷きます。足をひっ かけ ないように、床に物を置かないようにして、電気コードは端に 寄せて取り 付けます。
階段には、滑り止めと手すりを必ず取り付けます。階段昇降機や家庭 用エ レベーターという方法もあります。

日常生活環境(住居)トイレ
トイレは洋式トイレ(できればウォシュレットや簡易昇降便座付)にして、和式トイレならば簡易洋式便座を置きます。
便座の近くに、頑丈な手摺りを取り付けると安心です。また、利き腕の側にペーパーホルダー・洗浄器のスイッチ・非常ボタンなどを配置します。

日常生活環境(住居)浴室
脱衣所は、楽に衣類の脱ぎ着ができる広さを確保します。
浴室には、滑り止めマットをおきます。
浴槽と同じ高さの台か腰掛を設置します。(まず、台または腰掛に腰を下 ろしてから、浴槽の出入りをします)
壁と浴槽内に頑丈な手摺りをつけます。
浴槽内では、しゃがまないで、イスを利用して腰掛けます。シャワーは、 シャワー用椅子を利用して座って浴びます。
便利グッズを活用します。(ポンプ式ボディーシャンプー、ミトン式スポ ンジ、長柄ボディーブラシ、洗髪用長柄ブラシなど)

日常生活環境(住居)居室・寝室
長い時間を過ごす部屋は、風通しや日当たりがよく、湿気が少なく、トイレ・浴室・洗面所が近くにあるのが理想的です。寝室は、ベッドにします。敷布団は固めのマットレス、掛け布団は軽い羽根布団など、枕は低めで小さめがおすすめです。布団干しは布団乾燥機を利用します。

食事は消化のよい食べ物(食品)
リウマチでは、薬を長期間にわたって服用し続けことで胃腸障害が起こりやすいです。胃や腸の働きを弱めないことが肝要です。消化の良くない食べ物や食事には注意が必要で、身体が冷える食べ物(食品)も頻繁に食するのは避けた方がよいです。

食事はカルシウムが豊富な食べ物を摂る
関節リウマチは骨粗鬆症(骨粗しょう症)を合併しやすいです。そのため、日頃の食事で、カルシウムを多く含んだ食品を積極的に摂取することが望まれます。カルシウムの吸収を促すビタミンDも一緒に摂取します。塩分やリンの過剰摂取はカルシウムの吸収を阻害してしまいます。インスタント食品・加工食品・清涼飲料水には注意が必要です。

カルシウムを多く含む食べ物(食品):牛乳、乳製品、小魚類、殻を食べ るエビ、大豆、ホウレンソウ、コマツナ、ヒジキ、ゴマ
ビタミンDを多く含む食べ物(食品):マグロの刺身、いわし、かつお、 レバ-、卵黄、乾し椎茸、きくらげ

食事は良質のたんぱく質を含む食べ物を摂る
慢性的に炎症が続いて体力を消耗する関節リウマチでは、タンパク質は重要です。また、関節の機能低下が進むと、筋力の保持は非常に重要で、良質のたんぱく質を摂ることが必要です。
良質のタンパク質を含む食べ物(食品):肉や魚の他、豆腐や納豆などの 大豆製品

食事はビタミンやミネラルが豊富な食べ物を摂る
リウマチでは、慢性的な炎症により、からだが消耗して鉄が欠乏して貧血を起こしやすくなります。鉄分の吸収を助けるビタミンCが豊富な野菜や果物を一緒に摂るのがよいです。ミネラルを多く含む海藻類は、慢性的に炎症が続いて体のエネルギーを多く消耗する病気である関節リウマチには欠かせない食べ物(食品)です。

リウマチの薬治療に用いられるステロイド剤(副腎皮質ホルモン剤)や抗リウマチ剤など、薬の副作用による合併症や症状に対しては、それぞれの食事療法に準じます。