リウマチによる関節の変形

リウマチによる骨の破壊が進むと手指や足指にリウマチ特有の関節変形が起こります。

変形したままかたまってしまうことを「拘縮」、骨と骨がくっついてしまうことを「強直」といいます。
また、関節の症状が進むに従い関節と関節の間の筋肉が衰え、日常生活に支障をきたします。
よくみられる変形は次のようなものです。

●手指の変形●

尺側偏位(しゃくそくへんい)
親指以外の四本の指の付け根の関節でずれや亜脱臼がおきて腱のひっぱる力などにより小指側に傾く。手の動きにはあまり影響しないが親指のZ型変形があるとものがつまみにくくなる。

Z型変形
親指が外側に反りZ字状に変形する。

ボタン穴変形
指の第二関節の炎症により第二関節が内側に第一関節が外側に反る。腱が縦に裂けた裂け目から第二関節がボタンのように出てくることからボタン穴変形といわれる。

スワンネック変形
ボタン穴変形と逆に、第二関節が外側第一関節が内側に反る。指が曲がらないので掴む、握るといった動作が不自由になる。

●足指の変形●

足指の関節は滑膜が少ないため手指よりも変形が軽くなるのが一般的。

外反母趾
足の親指の関節が亜脱臼を起し、親指の先が隣の指の下にもぐり込んでしまう。

わし爪趾変形
足指全体が鷲の爪のように曲がり、指の付け根は足底の方に突き出る。

少数の関節の痛みや腫れから発病した場合でも、しだいに多くの関節がおかされます。
関節の痛みや腫れが続いている間は、滑膜という組織が増殖し、軟骨や骨を溶かしているのです。
したがって、関節はしだいに変形します。

だんだん動きが悪くなり(可動域制限(かどういきせいげん))、最終的には変形したり、固まって動かなくなったり、逆にぐらついて力が入らないようになったりします。
手の指の変形は特徴的で、スワンネック変形図「指の関節の変形」、ボタンホール変形、尺側偏位(しゃくそくへんい)などと呼ばれます。

足の指は、親指が内側に曲がる外反母趾(がいはんぼし)変形、指先がハンマーのように下に曲がる槌趾(ついし)変形などがおこります。

手首の関節は、動く範囲が狭くなって、第4指(薬指)、第5指(小指)を伸ばす腱(けん)が切れて、伸ばせなくなることがあります。
肘関節(ちゅうかんせつ)の動く範囲が狭まると、顔に手が届かなくなり、日常生活がたいへん不自由になります。

股関節や膝関節も動きが悪くなり、足の関節や足趾(そくし)(足の指)の変形も加わって、歩くのが困難になります。
リウマチは、脊椎はあまりおかしませんが、第1頸椎、第2頸椎の間の環軸関節という部分がおかされて、脊髄を圧迫することがあります。
これは進行したリウマチにみられ、くびが痛み、不安定になります。変形が進むと、脊髄まひや呼吸まひをおこす可能性があります。
このように、関節リウマチの患者さんの関節は、病気が進むと変形しますが、ムチランス型といって、滑膜の増殖によって関節包や靱帯が機能しなくなり、関節がぐらぐらする場合もあります。

なお、リウマチが長期にわたると、先に述べたような関節以外の症状が増えます。なかでも、肺線維症による呼吸困難、アミロイドの蓄積による腎臓の障害は要注意です。
リウマチは、難病の1つとされ、治療法はないといわれてきました。現代においても、そのはっきりした原因は、まだ不明であり、完全に治す方法はありません。
しかし、リウマチの活動をかなり抑え、ほとんど病気を忘れさせるほど効果のある治療法も多く開発されています。