更年期と唾液分泌低下

女性ホルモンは体に潤いを与える役割も持っています。更年期前後になって女性ホルモンの働きが低下してくると、全身の粘膜が乾燥してしまいます。口やのどの中も粘膜で覆われていますので、口の中も乾いてきます。

唾液は年齢とともに分泌量が減って更年期からは、女性ホルモンの分泌が低下することによっても、口の中が乾いてきます。

口の中は、いつも唾液が出て潤っています。
その唾液の分泌量が減少して、口が渇ききってしまった状態がドライマウスです。

舌や歯茎、ほおの内側の粘膜も唾液によって保護されていますので、口の中が渇くと、歯と舌などがこすれて小さな傷がたくさんできて、下がヒリヒリ痛くなってきます。

また唾液が少ないために、食べ物が飲み込みにくくなったり、発音がしにくくなったりします。食べ物の味は、味の成分が唾液に溶けてはじめて感じられるものなので、唾液が少ないと、食べ物の味もわかりづらくなり「何を食べてもおいしくない」などと、日常生活の中でさまざまな支障が生じてきます。

さらに唾液には、口の中の抗菌作用、自浄作用がありますから、ドライマウスになると、口臭がひどくなったり、虫歯や歯周病にもかかりやすくなります。

唾液の分泌が減る場合には消化機能も低下することが考えられ、消化のよい食事などに注意が必要です。また、口腔衛生に注意しないと虫歯や歯周病の進行から健康状態の悪化を招く場合もあるといわれますから水分補給やデンタルケアに注意しましょう。

口腔内は耳下腺や顎下腺、舌下腺などの唾液腺からの唾液で潤って、舌や歯茎、頬粘膜を保護する働きも持っているのですが、更年期以降には唾液分泌量の減少によって舌などが傷つきやすくなり硬い歯に当たって痛んだり、歯に接する頬の側面には傷ができて炎症を起こしたりします。

また、唾液分泌減少により口腔内の自浄作用も低下して、更年期以降の歯の喪失原因になる歯周病の原因菌も繁殖しやすくなり、口臭や歯肉出血などの歯槽膿漏の症状が問題になることもあります

唾液腺には大唾液腺(耳下腺・顎下腺・舌下腺)と多数の小唾液腺があります。
大唾液腺は口腔内に開口する管を持ち、管を通じて唾液を口に流出します。
小唾液腺は口腔内の粘膜に広く分布し、唾液の出口が粘膜に開いています。

唾液の分泌は、副交感神経が調節し、反射的に分泌されます。

1.無条件反射
口の中に食物が入ると機械的刺激や味覚などによって反射的に唾液が分泌されます。
2.条件反射
食物をみたり、匂いを嗅いだり、連想するだけで唾液の分泌が起こります。

唾液は年齢とともに分泌量が減って更年期からは、女性ホルモンの分泌が低下することによっても、口の中が乾いてきます。

更年期の唾液の分泌低下はある程度しかたがないことですが、女性ホルモンの分泌を整えることが大切です。

また、ガムを噛むことは、唾液の分泌を促しますので、口の中の乾燥が気になる方は上手に使うとよいでしょう。
それと、 口の乾燥や痛み、口内炎などに対しては、口の中の粘膜を修復する働きのあるうがい薬や、唾液に近い成分を配合した保湿ジェルや保湿スプレーを使って、口に潤いを与えると良いでしょう。