女性ホルモンと自律神経

大脳の視床下部というところが交感神経と副交感神経の働きを支配する「自律神経」をコントロールしています。

ホルモンの変化のリズムが自律神経の働きにも影響し、ホルモンのバランスが不安定になると自律神経のバランスも不安定になってしまいます。

女性ホルモンとは卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲステロン)の二つで、脳下垂体からの刺激ホルモンと関連して働き、卵巣から分泌されます。

○卵胞ホルモン(エストロゲン)
月経を起こす、思春期に女性らしいからだをつくる、排卵前に精子が入りやすいように手助けする、動脈硬化を防いだり骨にカルシウムを蓄えるなど女性の健康を守ります。

○黄体ホルモン(プロゲステロン)
妊娠・出産の準備

女性ホルモンの分泌に大きな変化が起こるのは、
・性ホルモンの分泌が高まる思春期
・妊娠・出産をする成熟期
・閉経を迎える更年期
です。特に更年期は卵巣機能が低下しホルモンのバランスが大きく崩れやすく、自律神経にも異常をきたすことが多くなります。

■ホルモンと関わり続ける女性の一生

女性の一生はホルモンなしには語ることができないほど、ホルモンの影響を受け続けます。

○思春期
10歳頃から性ホルモンの分泌が増え、初潮を迎えます。
それにともない容姿や恋愛の悩みが出始めます。
女性の心とからだをつくる準備の時期なので、過激なダイエットなどはさけ、またバランスのとれた食事にも気をつけたいものです。

○成熟期
卵巣や子宮の機能が成熟しホルモンの分泌も安定します。また妊娠・出産によりホルモンのバランスは大きく変化します。
環境的には就職・結婚・出産・子育てなどのイベントが多く、また仕事の上でももっとも活躍する年代となります。環境の変化も大きく精神的にも身体的にもストレスの大きい時期といえます。
・マタニティブルー
・仕事のストレス
・家庭と仕事の板挟み

○更年期
女性ホルモンの分泌量はピークを迎えた後、分泌量が増えたり減ったりと不安定な状態になり、その後減少していき閉経を迎えます。
ホルモンの分泌量が不安定になると体調も不安定になります。自律神経のバランスが崩れて更年期障害などに陥ることもあります。
・更年期障害
・子育て後の虚無感

■女性のストレス

自律神経失調症になる背景として、きっかけとなるようなストレスが増えたことも関連があるといえます。勿論、男性にとってもストレスの多い社会であり、女性の方がストレスに弱いとは一概にいうことはできません。しかし、女性は人間関係からくるストレスに敏感であったり、また昔はなかった新しい種類のストレスにもさらされるようになりました。

・社会進出に伴う社会的責任の重圧
まだまだ男女格差やセクハラなどもあり、女性の働く現実は厳しい
・仕事と家庭の両立
共働きでも家庭のプレッシャーが強く、仕事と家庭の板ばさみに
・孤独な子育て環境
昔はおじいちゃんやおばあちゃんなど大家族やご近所に相談できたが、現代は相談相手もなく孤独な子育てになりやすい
・結婚・離婚などによる環境の変化
女性の場合は住む所も人間関係もガラッとかわる
・介護ストレス
女性に負担がかかりやすく、心身ともに疲労がたまる
・子育て後の虚無感
子供の数が減り母子密着度が高いせいか、子供の独立や家族の無関心などの現実に心が空白に

●自律神経失調症の4つのタイプ

◇本態性型自律神経失調症
要因:生まれつき自律神経の働きが乱れやすい
特長など:低血圧、虚弱体質、体力に自信がない人に多い
 
◇神経症型自律神経失調症
要因:心理的なことから
特徴など:自分の身体の不調に敏感な人がなりやすい
身体的な不調が多くみられる場合に神経症ではなく自律神経失調症と診断されます

◇心身症型自律神経失調症
要因:感情や疲労などの日常生活のストレスを無理に抑えること
特徴など:約半数がこのタイプ。あらわれる症状やその重さが様々

◇抑うつ型自律神経失調症
要因:ストレスの慢性的な蓄積などによるうつ反応
特徴など:抑うつ気分が身体の症状に隠れて発見されないと『うつ』に対する適切な治療が行われないことになります

自律神経失調症を改善するには・・

自律神経失調症の人へのアドバイスとして「規則正しい生活をする」ということがよく言われますが、生活にリズムをつくる一つの策として「朝の散歩」をおススメします。
効果としては次のようなものがあります。

<朝の散歩の効果>
 1. 体内時計を正常にする
   生活のリズムが規則正しくなる
 2. 前向きな気分になる
 3. 様々な健康効果

毎日の習慣にすることでも生活にリズムが生まれます。
生活にメリハリがつき、また色々な風景を見ながら歩けば気分転換にもなるでしょう。
一日に30分でもいい、つらければ5分からでもいい、毎朝同じ時間に起きて戸外へ出て歩きましょう。
不思議に元気になる人間のからだのしくみがあるのです。

朝の太陽光が体内時計を合わせる

「たそがれ時に明るい光を浴びると増えるたんぱく質が、体内時計を刻むたんぱく質を抑えてしまう→体内時計が狂い翌日の生活リズムが狂う」
(朝日新聞2004/06/09記事より) 

ことが先ごろ動物実験で解明されたそうです。夜更かしをすると体内時計は狂ってしまうわけです。

朝起きて太陽の光を取り入れることで体内時計の時刻あわせが行われます。ここで多少のズレなら修正されます。
毎朝きちんと起きて太陽の光を浴びることで体内時計が正常になり、夜もスムーズに寝付くことができるようになります。昼間太陽光を浴びておかないと寝つきが悪くなってしまったりします。
体内時計が生活リズムを刻んでいるのです。

人間は昼行性のほ乳類。毎朝同じ時間に起きて太陽の光を浴びることに意味があるんです。

前向きな気持ちにさせる「セロトニン」

セロトニンとは「ヤル気」に必要な様々な脳内ホルモンの働きを助ける脳内物質です。
・精神を安定させ興奮や不快感を鎮める
・姿勢を保つ抗重力筋などの筋肉を刺激する
などの働きがあります。

冬になって日照時間が短くなると通常よりもセロトニンの分泌が減ることがわかっています。
そうすると、
・なんとなく疲れやすくダルイ
・元気がでない、暗い気持ちになる
・筋肉がたるんで老けた印象になる
・満腹感がなく甘いものなどを食べ過ぎて太る
などの状態になります。軽うつ状態になる人もいるそうです。

ではどうしたらよいのか? 

<セロトニンの分泌を促すには>
○一定のリズム運動を
○5分以上持続する
○2500ルクス以上の光を浴びる(室内灯ではダメ。太陽光がよい)

つまり、「明るい太陽の下で5分以上(もっと長くていいです)ウォーキングをする」のが最適! ということですね。

ウォーキングの健康効果

ウォーキングは30分程度でも十分効果があります。10分×3回などでもよいそうです。朝の散歩には「前向きになる」「体内時計が正常になる」効果のほかにも、ウォーキングをすることでの健康効果も勿論あります。

・血がサラサラになる
コレステロールや中性脂肪で一杯のベトベト血だと血流が悪く疲れやむくみがとれません。ウォーキングには血をサラサラにする効果があります。

・血行がアップ→乳酸が除去されコリを解消
血行がよくなり乳酸がすみやかに除去されますので肩こりなど筋肉のコリ解消にも効果が。

・免疫力が高まる
リンパ球やホルモンの分泌が良くなるので免疫力が高まります。

・脳が活性化される
ウォーキングでは下半身に多い遅筋をよく動かします。遅筋は身体のバランスや動きをコントロールする多くの神経とつながっているため、歩くことにより脳は活性化されます。
また、視界にとびこんでくる風景や、風、気温といった感触による刺激も脳を刺激し活性化させます。

・脂肪燃焼効果
30分以上歩くことで脂肪燃焼効果は高まります。

・肺機能が回復し酸素が取り込めるカラダになる
運動不足の現代人は呼吸が浅く肺も十分に使えていないため酸素が不足しがちです。ぷらぶら散歩している間は深い呼吸になり、肺の機能も回復し酸素が取り込めるようになります。