肩関節周囲炎(五十肩)

肩関節周囲炎は、肩の関節が痛んで腕が上がらなくなるなど、肩関節の動きが制限されます。

中年以降の50代に多くみられ、主な原因は肩関節の骨や軟骨、靭帯などの老化により変形などして、周辺組織に炎症を起こす為と考えられています。

痛みは肩部に生じ腕の方まで痛みを訴える事もあります。主として鈍痛で、夜間や冷えた時になどに痛むことが多いようです。動きとしては髪をとくとき、電車の吊革を持つ時、手を後に回す時に痛みが出るようです。

典型的な五十肩の症状は痛みと拘縮です。

まず痛みは肩関節だけにとどまることもありますが頸部や腕に放散する痛みを訴えることがあります。
その他、夜間痛とくに明け方の痛みの為目を覚ます方もいます。

拘縮ですがこれは運動制限を意味します。
拘縮は腕を挙げづらい、挙がらない、背中に手を持っていけないなど日常生活動作で問題が生じます。症状が三~四ヶ月以上続くと肩全体の筋肉が痩せ、筋力低下が生じることもあります。

急性型
急性の肩関節周囲炎は炎症が強く、激しい痛みと熱感を伴い、眠れないほどずきずきとうずきます。寒気を覚えることもあります。
レントゲン写真でまったく変化がない場合と、右図のように肩甲骨肩峰下の三角筋下滑液包に白い石灰沈着を認める場合があります。この場合は石灰沈着性肩関節周囲炎と呼ばれます。
また上腕二頭筋長頭腱の腱鞘炎として発症することもあります。
治療としては湿布、消炎鎮痛剤の飲み薬、ステロイドの注射、ボルタレン座薬とあらゆる消炎鎮痛を期待できる手段を使います。
痛みが激しい為に、我慢しきれず早期に整形外科を訪れむしろ早く治る事が多いようです。

なお、絶対にしてはいけないことは患部を温めることです。
急性期の炎症を温めたり、お酒を飲んだりするのは火に油を注ぐようなものです。
接骨院などでの電気治療もやってはいけません。
治療に専念してください。1週間もすれば痛みが緩和されてきます。

慢性型
少しずつ肩に違和感を覚え、そのうち治るだろうと思っているうちに、次第に肩をかばい腕が挙がらなくなってから整形外科を訪れるケースがほとんどです。
夜中に寝返りを打つたびに肩に痛みを覚え睡眠障害に陥ります。
肩関節の動きが50%以下の人は治すのに苦労します。
その30%の中にはrotator cuff(腱板)の損傷が合併することがございます。

日頃からの肩関節のストレッチ運動は予防として良いと思います。
そもそも慢性にしないことが肝心なことです。
炎症の早期治療の原則は生きています。
少しでもおかしいとか痛いといった症状があった場合はなるべく早く炎症を押さえるようにしましょう。早ければ早いほど治りやすいのはいうまでもありません。
自然治癒もありますが、長期におよぶことが多いようです。

生活の中での留意点について

更衣動作
衣服は袖や腕回りがゆったりとした物で、体の前面で開くものを選択する。かぶるシャツなどは避ける。着る時は痛いほうの腕から先に袖に通す。脱ぐ時は逆に行う。

食事動作
箸を使う、茶碗を持つなどの食事動作で痛みが出現する時は、両肘をテーブルの上に乗せ上腕を支え食事をする。

痛い方の手で荷物を持つ
基本的には持たない方がいいのですが、どうしても持たなければいけない時は、脇を絞め上腕を体に固定し、ゆっくり持ち上げる。重いものは避けましょう。

寝る姿勢
最も楽に寝られる姿勢を取りましょう。あお向けで寝る場合は肩の下にタオル・クッションなどをおきリラックスできる姿勢をとりましょう。横向きで寝る場合は、抱き枕等で腕が下がらないよう工夫しましょう。

夜間痛
夜間痛は肩が冷えた時に起こる場合があるので、肩用の保温サポーターやカイロ(低温やけどに注意)を使用したり、布団から肩が露出しないようにバスタオルを掛けるなど保温に努めてください。

逆に熱感がある場合は、湿布や氷をビニール袋に入れ患部を冷やすことで緩和することもある。

保温
夏はクーラーや扇風機などで直接冷気が肩に当たらないようにしましょう。

冬は肩に保温用サポーターを着け、冷やさないようにしましょう。冷えた時にはお風呂に入るなどし、循環を良くしましょう。