男性更年期障害

更年期障害というと、女性特有の病気と思われがちですが、男性でも中高年以降になりますと、男性ホルモンが漸減して、自覚症状として健康への不安感、性欲減退、性機能障害のような更年期障害がしばしば認められることがあります。
しかしながら、男性における男性ホルモンの分泌低下は30歳頃よりはじまり、60歳では40歳に比べ25%の低下がありますが、比較的個人差があり、女性の閉経に相当する肉体的な変化も見られません
そのため男性ホルモンが年齢とともに低下することからPADAMとよばれ、男性更年期の意味で使われます。

男性更年期障害は男性ホルモン(テストステロン)の減少が引き金になっていると考えられます

 

女性の場合は女性ホルモン(エストロゲン)が急激に減少することで様々な症状が出ますが、男性の場合は、女性ほど急激にホルモンは減少しませんし、その減少の程度には個人差がかなりあります。

最近、聖マリアンナ医大の岩本晃明教授からテストステロンの基準値について目安となる報告がありましたが(総テストステロン:4.53 ng/ml、フリーテストステロン:FT:15.7 pg/ml)、これもあくまでも目安であって、テストステロンの値自体と症状の重症度が相関しないことから、実際は以前の状態からどの程度減少したかが問題になることが予想されています。

仕事や家庭でのストレスも加わり徐々に更年期障害の症状が現れますが、周囲にはなかなか理解してもらえず、独り思い悩むことになります。

男性更年期障害の特徴として、ほてりや冷え以外に、精神的にはうつ症状や不眠、体力的には筋力の衰えや体のだるさ、性的には性欲がなくなる、朝立ちの回数が減少するなどの症状が強く現れることです。
神経質でまじめ、責任感や競争心が強く、几帳面またはせっかちな人は男性更年期障害を発症しやすいと言われています。

男性の更年期障害の臨床症状は神経質、疲労、不眠、興奮状態、抑うつ状態、背頚部痛、頭痛、のぼせ、動悸、記憶力の減退等があり、性欲減退(75%)、性機能障害(ED)(50%)があります。

1)不安、不眠、イライラなどの精神状態
2)性機能障害(ED)
3)頻尿、残尿感などの前立腺疾患を主とした尿路症状がみられます。

しかしながら、男性更年期の認知度は低く、単なる疲労、年のせいと片づけられることも多いと思います。

治療には、性機能障害や泌尿器症状などは医師の診断を受けて男性ホルモン補充療法、漢方薬やED治療薬(バイアグラ)などを処方されるケースもあります。
しかし男性更年期障害の症状は食事、運動、睡眠、などの日常生活を改めることで軽減することが少なくありません。

●食事ではバランスのよい食生活を心がけるのはもちろん大切ですが、アルコールの摂り過ぎには注意が必要です。

●アルコールは、睡眠障害、肝機能障害、肥満等の原因になり男性ホルモンの低下を促進します。

●運動では体内に脂肪が蓄積されると男性ホルモンの働きが低下します。
肥満防止のための全身運動療法は心肺機能だけではなく男性ホルモンの活性を維持する働きもあります。

●睡眠については、眠れない、寝ていても疲れる、朝起きるのがつらいなどの訴えがあり、自律神経の働きの低下が考えられます。
そこで不規則な生活を改め、夜は12時前に就寝し、十分な睡眠時間を確保することも必要です。

更年期を『車の車検期』ととらえ、手入れをきちんとすれば、再び新車のように走れる体調を取り戻せるので、早めに対策をたてる必要があるようです。
しかし、いくら手術、薬物療法などをしても、からだの老化がとまるわけでありませんから、普段の生活環境、日常生活が大切なのは明らかです。